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ストーマ装具の剥がれの原因

ストーマ装具の剥がれの原因

お客様からのお問い合わせで「装具が剥がれてしまう」という声をいただくことがあります。

装具の剥がれは漏れや皮膚トラブルに直結するため、必ず防ぎたいところです。

この記事では、一般的によくある剥がれの原因について掘り下げて紹介していきたいと思います。

※あくまで一般的な解釈となりますので、参考程度に留めていただけますと幸いです。

1.皮膚に付着している水分による剥がれ

水分の拭き残しが原因の場合

ストーマ周囲の皮膚は、常に排泄物の刺激という危機にさらされている状態のため、清潔に保つ必要があります。そのため、ストーマ装具の交換の際は、みなさま必ず皮膚の洗浄を行っていることと思います。

普段から行っているストーマ交換時の洗浄ですが、洗浄後の皮膚に水分が残っていた場合、その状態で装具を貼付すると粘着を妨げて剥がれやすくなってしまいます。

基本的なことですが、ストーマ周囲を洗浄した際は水分をよく拭き取り、皮膚が乾いた状態で新しい装具を貼るようにしましょう。

皮膚に残った水分は装具の粘着を妨げます

ストーマ周囲の皮膚トラブルが原因の場合

ストーマ周囲の皮膚が荒れていて、滲出液(ジュクジュクした液体)が出ているような場合も、その水分によってストーマ装具は剥がれやすくなります。

滲出液が出ているような場合は、ストーマケアアクセサリーの粉状皮膚保護剤(パウダー)を使用するといいでしょう。

滲出液の部分に振りかけると、パウダーが水分を吸収してゲル化します。ゲル状になることで、荒れている皮膚を保護するだけでなく、装具の粘着も補助してくれるのです。

ただし、パウダーのかけすぎには要注意です。あくまで粉状なので、ゲル化しなければかえって粘着を妨げてしまいます。

皮膚保護剤パウダーについては、別の記事で特集を組んでいます。興味がございましたら下記リンクをご参照ください。

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2.皮膚や面板の状況による剥がれ

皮膚の乾燥が原因の場合

これまで、皮膚に水分が残っていると面板は剥がれやすくなると紹介しましたが、逆に乾燥しすぎていても面板は剥がれやすくなります。

特に冬場など、皮膚の乾燥が強いような場合は保湿剤を使用することもおすすめです。皮膚のバリア機能を高めることも期待できます。

ただし、保湿剤を使用した後はすぐに装具を貼らず、よく乾かしてから貼付するようにしましょう。また、油分の多い保湿剤を使用すると、かえって剥がれやすくなる恐れがありますのでご注意ください。

保湿することで皮膚のバリア機能も保たれます

皮膚や面板の温度が原因の場合

ストーマ装具の面板は温まることで皮膚に密着してくれます。

そのため、装具交換の際はあらかじめ面板を温めておき、貼付した直後も数分間は手で押さえておくとより剥がれにくくなります。

ただし、面板を温める際はドライヤーなどの高温ではなく、人肌の温かさで温めるようにしてください。高温での温めは品質を劣化させ、かえって剥がれやすくなる恐れがあります。

また、貼付した装具を手で押さえる際、お腹を圧迫しすぎると体調を悪くしてしまうかもしれませんので、優しく押さえるようにしましょう。

面板は温めることで皮膚に密着します

3.ストーマケアアクセサリーの使用による剥がれ

ストーマケアに便利なアクセサリー用品も、使用方法によっては装具を剥がれやすくしている原因になります。

洗浄剤や被膜剤の乾かし不足

皮膚の洗浄の際に使用する「洗浄清拭剤」ですが、多くの商品に保湿成分が配合されています。

皮膚の洗浄直後はその成分で多少滑りやすくなっている場合がありますので、よく水分を拭き取り、乾かしてから装具を貼付するようにしましょう。

また、装具貼付前に「皮膚被膜剤」をしている場合も、乾かし不足で剥がれてしまうケースがあります。よく乾かしてから装具を貼付するようにしましょう。

皮膚保護剤パウダーのかけすぎ

皮膚保護剤パウダーが原因で装具が剥がれてしまっているケースが多くあります。

前述の通り、パウダーは水分を吸収してゲル化するため、滲出液が出ているような場合には有効です。

ただし、健康な皮膚に使用してもゲル化はせず、粉状のまま皮膚に残るため、かえって装具の貼付を妨げてしまいます。

そのためパウダーのかけすぎには注意しましょう。もし多くかけてしまったような場合は、余分な粉を手で払ってから装具を貼付してください。

4.まとめ

いかがでしたか?

ストーマ装具が剥がれてしまう原因は様々ですが、基本的なケアを見直すことで改善できることもあります。

特に、普段多くのアクセサリーを使用されているような方は、今一度ご自身でケア方法を確認してみてください。

また、根本的な解決は医療従事者でないと行えません。症状が続くような場合は、ストーマ外来にかかり必ずプロの目で判断してもらいましょう。

繰り返しになりますが、この記事で紹介した内容は、ストーマケアの一般知識として知っておくべき内容になります。

すべての方に該当するものではございませんので、その点を理解していただいた上で参考にしていただけましたら幸いです。

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公開日:2023.07.10 / 最終更新日:2024.03.26

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