ストーマ装具からの排泄物の破棄方法
世界で初めて粘着式のストーマ装具が販売されたのが1954年とされています。当時はまだ商品のバラエティも少なく、現在ほど選択肢はありませんでした。
昨今、技術の進歩とメーカーの企業努力もあり、ストーア装具の種類は多岐にわたって展開されています。ひとりひとりが自身に合ったストーマ装具を見つけることができるような環境が整いつつあります。
その反面、選択肢が広がったことでお客様から「別のものを試したい」「このタイプはどうやって使うの?」といったお声をいただく機会も増えました。
そこでこの記事では、ストーマ装具の排出口に焦点を当てて、排泄物の破棄方法について詳しく説明していきたいと思います。同じ形状の排出口でもメーカーによって構造が異なりますので、是非ご参照ください。
1.コロストミー用装具の排出口
現在、コロストミー用装具の主流とされている排出口はマジックテープ式です。
マジックテープ式装具の便の破棄方法
便の破棄方法を手順に沿って説明します。使用する商品によっては使用方法に若干の違いがございますので、必ず商品の箱に添付されている取扱説明書をご確認ください。
①マジックテープ部分を剥がします
剥がしにくい場合は力任せに剥がさず、端の方から徐々に剥がしていきましょう。
②巻き上げていた部分を開きます
巻き上げていた部分を開いていきましょう。
この際、排出口を上に向けて押さえておくことで便が不意に落ちるのを防ぎます。
③便を排出します
排出口をトイレに向け、便を絞り出すようにして排出します。
④排出口に付着した便を拭き取ります
排出口に付着した便はにおいの原因となります。
トイレットペーパーでしっかりと拭き取りましょう。
⑤排出口を巻き上げマジックテープで固定します
排出口を巻き上げ、マジックテープで固定したら完了です。
また、ストーマ装具の中身は洗わないようにしましょう。洗った際の水分が便と混ざることでにおいの原因になります。
- 便はため過ぎず半分ほど溜まったら排出するようにしましょう
- 排出口に付着した便はしっかりと拭き取りましょう
- 装具の中身は洗ってはいけません
各メーカーのマジックテープ式装具の排出口の違い
マジックテープ式のストーマ装具は各メーカーより販売されています。
ここでは主要メーカー5社の排出口を比較・紹介していきます。
下部開放型クリップレス
一体成型ワイトイージクローズ排出口
ロックンロールマイクロシール
ノバライフシリーズ排出口
セーフシール排出口
排出を楽にする「消臭潤滑剤」
消臭潤滑剤を使用すると便のすべりがよくなり排出が容易になります。
また、消臭効果も兼ね備えているため、交換時のにおい問題を軽減してくれます。
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2.イレオストミー用装具の排出口
イレオストミー用装具の排出口はキャップ式になります。
キャップ式装具の便の破棄方法
キャップ式装具の便の破棄方法を手順に沿って説明します。使用する商品によっては使用方法に若干の違いがございますので、必ず商品の箱に添付されている取扱説明書をご確認ください。
①キャップを外します
キャップを上に向けながら外します。
この際、キャップを上に向けていないと便がこぼれてしまいますので気を付けましょう。
②便を排出します
排出口をトイレに向け、便を絞り出すようにして排出します。
食物残渣(残りかす)がある場合は、キャップ部分をミルキングする(手でもむ)と排出が容易になります。
③排出口に付着した便を拭き取ります
排出口に付着した便はにおいの原因となります。
トイレットペーパーでしっかりと拭き取りましょう。
④キャップを閉じます
キャップを閉じたら完了です。
外れ防止のためにもキャップは奥までしっかりと差し込みましょう。
- キャップは必ず上に向けながら外す
- 排出口に付着した便はしっかり拭き取る
- キャップは最後まで確実に差し込む
各メーカーのキャップ式装具の排出口の違い
キャップ式のストーマ装具は各メーカーより販売されています。
ここでは主要メーカー5社の排出口を比較・紹介していきます。
水様便排出口具型
大型キャップ式排出口
キャップのシリーズ
キャップ式排出口
キャップ式排出口
ストーマ装具を覆い安定させる「パウチカバー」
ストーマ装具を覆うことで、キャップ部分が直接皮膚に触れるのを防いでくれます。また、汗を吸収することで皮膚障害を予防します。
そのまま使用するとキャップ部分が収まらないので、キャップを折り曲げてからパウチカバーを使用しましょう。
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3.ウロストミー用装具の排出口
ウロストミー用装具の排出口はキャップ式になります。
ウロストミー用装具の尿の破棄方法
尿の破棄方法を手順に沿って説明します。ウロストミー用装具の排出口には「シングルロック式」と「ダブルロック式」の2種類があります。
ここではダブルロック式の商品で説明をしますが、使用する商品によって使用方法が異なりますので、必ず商品の箱に添付されている取扱説明書をご確認ください。
①キャップを外します
排出口の先端についているキャップを外します。
※シングルロック式の装具の場合、この時点で尿が排出されますのでキャップを上に向けておきましょう。
②つまみを180°回転させます
排出口の上部についているつまみを180°回転します。
つまみを回転させると尿が排出されますのでご注意ください。
※シングルロック式の装具にはつまみはありません。
③尿を排出します
排出口をトイレに向け、尿を排出します。
④排出口に付着した尿を拭き取ります
排出口に付着した尿はにおいの原因となります。
トイレットペーパーでしっかりと拭き取りましょう。
⑤つまみをもとの位置に戻し、キャップを閉めます
つまみをもとの位置に戻し、キャップを閉めたら完了です。
※シングルロック式の装具の場合、キャップを閉めるだけで完了になりますのでしっかりと閉めましょう。
- 尿はため過ぎず1/3~半分ほど溜まったら排出する
- 排出口に付着した尿はしっかり拭き取る
- シングルロック式装具の場合は特に注意してキャップを閉める
各メーカーのウロストミー用装具の排出口の違い
ウロストミー用装具は各メーカーから販売されています。
ここでは主要メーカー5社のウロストミー用装具の排出口を比較・紹介していきます。
尿排出口具型ダブル
キャップ排出口
排出量調整口
コック式排出口
キャップ式排出口
外出時の排尿への不安を軽減する「レッグバッグ」
外出時など、長時間にわたって装具内の尿の排出処理ができない場合に、蓄尿量を増やしてくれるアクセサリーです。
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就寝時の蓄尿量を増やす「夜間用ウロバッグ」
就寝時は装具内の尿の排出処理ができません。そういった場合に蓄尿量を増やしてくれるアクセサリーです。ベッドサイドにぶら下げて使用します。
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4.ストーマ装具の廃棄方法
ストーマ装具は皮膚に直接貼付しているため、貼付日数が長くなると漏れや皮膚トラブルを引き起こす可能性が高まります。そのため、ストーマ装具は必ず交換をしなければいけません。
ここでは、交換した後のストーマ装具を廃棄する方法について順序立てて説明していきます。
①ストーマ装具内の排泄物をすべて排出します
ストーマ装具内の排泄物をすべて排出します。
この際、排出口に付着した排泄物はしっかりと拭き取りましょう。
②外部から見えないように新聞紙などで包みます
外部から見えないように新聞紙などで包みます。
③ポリ袋などに入れて口をしっかりと閉めます
ポリ袋などに入れ、口をしっかりと密閉しましょう。
袋に穴が開いてたり口がちゃんと閉まっていないとにおいの原因となります。
④居住地区のルールに従って廃棄します
使用後のストーマ装具のごみの分別は地域によって異なります。
可燃ごみなのか不燃ごみなのかを自治体に確認しておきましょう。
においを防止する専用のごみ袋「ストーマ装具が臭わない袋」
装具メーカーのアルケア社より、においを防止する専用のごみ袋が販売されています。
ご興味のある方は、下記リンクよりご参照ください。
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5.まとめ
ここまで、ストーマ装具の排出口について説明してきましたがいかがでしたか?
排出口の形は似ていても、メーカーによってその使用方法や性能が異なります。
日頃のストーマケアをより容易にするためにも、ご自身の使用している装具や、検討中の装具を今一度確認してみてください。
また、使用済み装具の廃棄方法についても、居住地区のルールを今一度確認しておきましょう。地区によっては、不燃ごみから可燃ごみに変更となっている場合もございます。
この記事が少しでも多くの方の参考になりましたら幸いです。
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