レッグバッグの特徴と使用方法【ストーマケアアクセサリー】
尿路ストーマを造られた方は、お腹につけたストーマ装具に尿を溜めて排出をします。
こまめに尿を排出する必要があるため、外出時や移動時などの長時間トイレに行くことができない場合は非常に苦労します。
このような場合は、レッグバッグ(脚に装着する蓄尿袋)を使用すると蓄尿量を増やすことができるため非常に便利です。
しかし、レッグバッグはその構造上「使い方が分からない」「どれを選べばいいかわからない」というような問い合わせを頂くことが多い商品でもあります。
そこで、この記事ではストーマ装具メーカーより販売されているレッグバッグについての説明をしていきたいと思います。
※就寝時に使用する夜間用ウロバッグ(ベッドにぶら下げる蓄尿袋)については、別記事で詳細にまとめています。下記リンクを参照ください。
1.レッグバッグとは
蓄尿量を増やすことで外出時や移動時の不安を軽減する
尿路ストーマ(ウロストミー)の方はこまめに尿を排出する必要があります。そのため、外出時や移動時などのトイレに行けない時間帯は不安に感じることが多いです。
レッグバッグを使用すると蓄尿量が増えるため、トイレに行けない時間帯の不安を軽減することができます。
2.ストーマ装具メーカーより販売されているレッグバッグ
レッグバッグを販売しているストーマ装具メーカーは3社あります。
この章では、その3社から販売されている3シリーズ(4商品)の紹介をします。
また次の章以降では、その商品ごとの使用方法とそれぞれの違いについて詳細に説明していきます。
コロプラスト
コンビーンセキュアーレッグバッグ
コロプラスト
コンビーンレッグバッグ
袋の内部が三層構造になっているため、歩行時のちゃぽちゃぽ音が軽減されます。
チューブは円形チューブを採用しており、好きな位置でカットすることができるので、長さ調節可能が可能です。(じゃばらチューブではありません。)
容量 | 入数 | 価格(税込) | リンク | |
---|---|---|---|---|
600mlタイプ | 600ml | 10枚 | 7,700円 (1枚あたり770円) |
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アルケア
ユーケアーレッグバッグ
アルケア社のウロストミー装具専用のレッグバッグで、接続管を使用せずに直接接続することが可能です。
バッグの肌側の不織布は汗を吸収し快適な使用感で着用することができます。
排出口はワンタッチ式で、ベルトの内側は全体にゴムのような滑り止め加工がされています。
容量 | 入数 | 価格(税込) | リンク | |
---|---|---|---|---|
500mlタイプ | 500ml | 5枚 | 4,015円 (1枚あたり803円) |
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3.各メーカー商品の使用方法
各メーカーが案内している手順に沿って、商品の使用方法を説明していきます。
コンビーンシリーズ(コロプラスト)の使用方法
①コンビーンレッグバッグベルトを接続する
コンビーンレッグバッグシリーズに付属している「コンビーンレッグバッグベルト」を接続します。レッグバッグにあるボタンホールにレッグバッグベルトのボタンを通します。太い方のベルトをレッグバッグの上部に、細い方のベルトをレッグバッグの下部に使用してください。
②レッグバッグを脚に装着する
脚のどこにレッグバッグを装着するかを決めたらベルトを巻きつけて装着します。上下逆にならないように気をつけましょう。
脚にしっかりと固定したら装着完了です。
③チューブの長さを調整しコネクターを接続する
本体から伸びているチューブをストーマ装具の方に伸ばし適切な長さにカットします。
「コンビーンセキュアーレッグバッグ」の場合はじゃばらでない部分をカットしてください。
また、この部分にコネクターを押し込みますので、押し込める余裕を持ってカットするようにしましょう。
チューブの長さを調整したら、コネクターをチューブの奥へ押し込んで接続します。
接続したら軽く引っ張ってチューブがはずれない事を確認してください。なお、一度チューブに接続したコネクターはチューブを切らないとはずれません。
④各種ストーマ装具に接続したら完了
コンビーンレッグバッグシリーズは、各社のストーマ装具・カテーテル・コンドーム型収尿器などと接続することができます。接続の際は各社商品に付属している「接続菅」を使用して、コンビーンレッグバッグシリーズと接続します。
※一部接続できない商品もあります。
また、同じコロプラスト社のストーマ装具に接続する際は、装具に付属している「アシュラウロコネクター」を取りつける必要があります。
[排出時の操作方法]
尿が溜まったらレッグバッグの下端にある排出口から尿を排出することができます。
レバーを下まで下げると排出口が開き、上まで上げると排出口が閉まります。
インケア・レッグバッグ(ホリスター)の使用方法
①コネクターの差し込みを確認する
インケア・レッグバッグセットを購入すると、インケア・チューブが付属されています。
レッグバッグとストーマ装具を繋ぐ役割を果たします。
インケア・チューブには、あらかじめコネクターが接続されていますので、使用の前にコネクターの差し込み具合を確認しましょう。
差し込みが不十分な場合はインケア・チューブをコネクター中央部分まで押し込んでください。
②インケア・ストラップを接続する
インケア・レッグバッグセットには、インケア・チューブの他にもインケア・ストラップというものが付属されています。
レッグバッグを脚に装着する際に使用するベルトです。
脚に装着する際、まずはインケア・レッグバッグの上部にある二つのボタンのどちらかにインケア・ストラップを接続します。(滑り止めが付いている面が肌側になります。)
次にストラップを脚にくるっと回してもう一方のボタンにかけます。
脚の太さに合わせて調節し、あまりきつく締めすぎないようにしましょう。
③インケア・チューブの長さを調整しストーマ装具に接続したら完了
ホリスター社「接続管S」
インケア・チューブを適切な長さでカットします。
チューブのカットが出来たらストーマ装具に接続をして完了です。
接続の際、ストーマ装具側には各社の装具に付属している接続管を使用してから接続します。
[排出時の操作方法]
尿が溜まったらレッグバッグの下端にある排出口から尿を排出することができます。
レバーを下まで下げると排出口が開き、上まで上げると排出口が閉まります。
ユーケアーレッグバッグ(アルケア)の使用方法
①ベルトをレッグバッグに接続する
ベルトの緑色の面が外側になるようにレッグバッグに接続します。
ベルトの裏地はゴム状になっておりずり落ち防止効果があります。
②レッグバッグを脚に装着する
レッグバッグの不織布の面と皮膚が接するようにレッグバッグをセットしたらベルトで固定します。
③コネクターチューブの長さを調整しレッグバッグ側に接続する
座った状態で、ストーマ装具と接続するコネクターチューブの長さをハサミで切って調整します。
レッグバッグの上部にチューブを接続します。
使用中の抜けを防ぐためにも、なるべく奥まで差し込んでください。
④コネクターチューブをストーマ装具に接続したら完了
コネクターチューブのコネクター部分をストーマ装具の排出口に接続します。
カチッと音がするまでしっかり押し込みめば装着完了です。
その際、尿がこぼれないように排出口は上を向けた状態で接続しましょう。
[排出時の操作方法]
尿が溜まったらレッグバッグの下端にある排出口から尿を排出することができます。
レバーを下まで下げると排出口が開き、上まで上げると排出口が閉まります。
4.レッグバッグのベルトの内側の違い
商品によって着用感が異なります。ザイタックの主観にはなりますが実際の着用感を紹介します。
コンビーンシリーズのベルトの内側
肌に触れる部分の生地はやわらかく優しい感触です。
インケア・レッグバッグのベルトの内側
肌に触れる部分の生地に、一部ゴム状の滑り止め加工がほどこされているため身体からずり落ちずらくなっています。
ユーケアーレッグバッグのベルトの内側
肌に触れる部分の全体にゴムのような滑り止め加工がほどこされています。身体からずり落ちずらくなっていますが、感触はそこまで優しくありません。
5.レッグバッグの袋の違い
商品によって袋の素材が異なります。
コンビーンシリーズの袋
服の下で目立ちにくい小さな水玉デザインとグレーの半透明素材になります。
また、肌に触れる部分には肌触りをよくするための不織布が使用されています。
インケア・レッグバッグの袋
防臭フィルムでできているため、においの心配がありません。
また、他メーカーと比較するとフィルムに厚みがあります。
ユーケアーレッグバッグの袋
肌に触れる側の素材が汗を吸収する不織布でできているため、快適な使用感で着用いただけます。
6.コネクターチューブの違い
商品によってチューブの構造が異なります。
コンビーンセキュア-レッグバッグのチューブ
チューブがじゃばらになっているため、チューブがねじれて詰まるといった可能性が低いです。
じゃばら以外の箇所であればコネクターを接続できるので希望の長さでカットすることができます。
コンビーンレッグバッグのチューブ
円形チューブのため使用目的に応じて必要な長さにカットすることができます。
じゃばらチューブではありません。
インケア・レッグバッグのチューブ
天然ゴム成分を含まないラテックスフリーのチューブです。
ねじれやつまりが起きにくい特殊な長円形断面構造になっています。
ユーケアーレッグバッグのチューブ
ユーケアーレッグバッグはアルケアのストーマ装具にのみ使用可能です。
直接接続が可能なので、ストーマ装具とレッグバッグを接続する為の接続管は不要です。
7.まとめ
いかがでしたか?
この記事ではストーマ装具メーカー3社から販売されているレッグバッグについて紹介しました。
それぞれのレッグバッグに特徴やこだわりがあるため、どの商品を選べばいいのか悩むかもしれませんが、基本的には使用しているストーマ装具と同じメーカーのレッグバッグを使用しましょう。同一メーカーのものを使用すればトラブルの可能性を極力抑えられます。
もし使用しているストーマ装具のメーカーがレッグバッグを販売していない場合は、医療者に相談をするかザイタックまでご連絡ください。ストーマ装具とレッグバッグの組み合わせ次第では、接続ができない場合もありますのでご自身で判断することはやめましょう。
また、就寝時はレッグバッグだと蓄尿量が足りない可能性が高いので夜間用のナイトドレイナージバッグ(夜間用ウロバッグ)を使用しましょう。
夜間用ウロバッグについては、別記事で詳細にまとめていますので、当記事と併せてご参照ください。
レッグバッグ、ナイトドレナージについては以下のリンクよりお探しすることができます。
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