オストメイトの外出・旅行時の持ち物とポイント
オストメイトが持つ悩みとして外出時の問題があります。特にストーマ歴の浅い方だと「外出時に装具が剥がれたり漏れたりしたらどうしよう」という不安から、家にこもりがちになってしまう方も多くいらっしゃいます。
実際はストーマを造ったあとでも、体力が回復してきたら外出や旅行をすることができるのですが、それがわかっていたとしてもなかなか勇気が出ないというのが現実だと思います。
まずは家の近所を散歩してみましょう。数分の外出でも大丈夫です。少しずつですが確実に慣れていきますので、徐々に外出の時間を延ばして自信をつけていきましょう。
1.最初は近所の散歩程度から
まずは「歩いて数分のスーパーに行く」というような短時間の外出からスタートしましょう。
短時間でも外出することは心身のリラックスにつながります。また外出をする際は、短時間であっても交換用のストーマ装具や下着をポーチなどに入れて携帯する習慣を身につけましょう。
[短時間の外出時に持参する物品]
- ストーマ装具(1~2枚)
- 交換時に使用しているアクセサリー
- ゴミ袋
- 衣類を留めておく洗濯ばさみ
- 下着(1枚)
- 使用物品を記載したメモ
2.徐々に外出の時間を延ばしてみましょう
ストーマでの生活が慣れ、体調も安定するようになりましたらリハビリテーションの一環として外出時間を延ばしてみましょう。
外気を多く取り込むことでストレス発散につながりますし、外出の時間が伸びていくことは自信にもつながっていきます。
はじめのうちは外出時間が伸びることに不安があると思います。そういった場合は、予備の装具をいつもより多めに準備するなどして対策しましょう。
[旅行など長時間の外出時に持参する物品]
- ストーマ装具(必要数+2~3枚)
- 交換時に使用しているアクセサリー
- ゴミ袋
- 衣類を留めておく洗濯ばさみ
- 下着(着替え用+2~3枚)
- 面板カット用ハサミ(フリーカットの場合)
- 保険証・身体障害者手帳
- 使用物品を記載したメモ
また、駅や大型の商業施設などのトイレにはオストメイト対応トイレが多く設置されていますので、旅行の際は確認をしておきましょう。
オストメイト対応トイレについては別の記事でまとめていますので下記リンク先をご参照ください。
3.乗り物で移動する場合のポイント
電車や飛行機に乗る場合は、なるべくゆとりのある洋服を着用し身体を締め付けすぎないようにして身体への負担を減らしましょう。
また、ゆとりのある服装は長時間の移動の場合でもストーマを圧迫しません。
車に乗る場合
シートベルトがストーマにあたらないように位置をずらしましょう。
また、ストーマ装具を車の中などの高温多湿になる場所に保管するのはやめましょう。面板の粘着力が弱くなり剥がれやすくなる原因となります。
飛行機に乗る場合
飛行機に乗ると気圧の変化によりストーマ装具の袋が膨らむことがありますので、ガス抜きができるようにフィルター付きの装具を選ぶといいでしょう。
離着陸時や状況によってはトイレに立つことができない場合もあります。搭乗前にストーマ装具の中身を空にしておくとより安心です。
また、交換用の物品はスーツケースだけでなく機内持ち込み用のバッグにも入れておきましょう。荷物の紛失やスーツケースがすぐ届かないという事態に備えることができます。
機内持ち込み荷物の制限に注意
商品によっては、そのまま機内に持ち込めないものがあります。以下のポイントに注意してください。
- 消臭潤滑剤や洗浄剤などの液体物
100ml以下の小さな容器に詰め替え、縦20cm×横20cm以下の透明なジップロックに入れます。 - 面板をカットするためのハサミ
特に国際線ではハサミを機内に持ち込むことができません。フリーカット装具をご使用の場合は、面板をあらかじめカットした装具を機内に持ち込み、ハサミは手荷物カウンターに預ける荷物の中に入れておきましょう。 - スプレータイプ・ボトルタイプの剥離剤や被膜剤
機内の持ち込みだけでなく、手荷物カウンターで預けることもできません。
※個包装のワイプタイプであれば基本的に持ち込み可能ですが、航空会社によっては持ち込み禁止の場合がありますので、事前に確認しておくとよいでしょう。
また、持ち込みの可否を最終的に判断するのは航空会社となります。
持ち込み物品の詳細な情報については、使用する製品の用途・成分をお伝えの上、ご利用する航空会社へお問い合わせください。
4.温泉などで入浴する場合
ストーマをつくってからも、温泉や銭湯などを楽しまれている方はたくさんいらっしゃいます。
ただし公共の場になりますので、必ずストーマ装具を装着した状態でご入浴ください。また、事前にストーマ袋に溜まった排出物を捨て、コンパクトに折りたたんでテープなどで留めましょう。
人目が気になる場合は、以下のようなポイントを意識してみましょう。
- 利用者が少ない時間帯を狙う
- 歩く時はお腹にタオルをあてる
- 後ろ向きで浴槽に入り、座りながらタオルを外す
- 脱衣所や流し場はストーマがある側の壁沿いの場所を選ぶ
- 浴室内では鏡に映らない位置に座る
入浴に関する情報や入浴用品については別の記事で詳しく取り上げておりますので、そちらをご参照ください。
5.まとめ
ここまで、オストメイトの外出をテーマに外出時の持参物や留意点を説明していきましたがいかがでしたか?
オストメイトの中には旅行に行くことを諦めてしまったり、外出が不安で室内にこもりがちになってしまっている方が多くいらっしゃいます。
はじめのうちは不安な気持ちが大きいと思いますが、経験を積むことで確実に慣れていきますので、どうか諦めないでください。
ただし、一番大切なのは体調と相談することです。決して無理はせず、今できる範囲での行動範囲で外出を楽しみましょう。
この記事の内容が、皆様の生活を手助けするものとなりましたらなにより幸いです。
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