粘着剥離剤(リムーバー)の特徴と使用方法【ストーマケアアクセサリー】
ストーマ装具を剥がす際に最も大切なのは、皮膚に刺激を与えずやさしく剥がすことです。ストーマ装具を無理やり剥がそうとすると、皮膚の表面を傷つけることになるため皮膚トラブルに直結します。
そんな時に使用されるアクセサリーが粘着剥離剤(リムーバー)です。いまやストーマケアの必須商品ともいえる存在になっています。
ただその一方で、使い方を間違って覚えている方や、たくさんの種類からどれを選べばいいのかよくわからないという方も多くいらっしゃいます。
そこでこの記事では、リムーバーの使用方法から各社が販売しているリムーバーの特徴について紹介していきます。
1.粘着剥離剤(リムーバー)とはどういう商品?
ストーマ装具を剥がす際の皮膚への負担を軽減する
剥離剤とは、文字通りストーマ装具を剥離(=剥がす)ために使用する商品です。剥離用の液体を、皮膚と面板の間に染み込ませることで面板が剥がれやすくなり皮膚にかかる負担を軽減します。
剥離剤を使用せずに装具を剥がすと皮膚にダメージを受ける可能性が高まり、将来的な皮膚トラブルにつながる可能性があります。
そういった背景もあり、現在は特別な理由がない限りストーマ装具交換時の剥離剤の使用は病院でも推奨されています。
2.粘着剥離剤(リムーバー)の種類
剥離剤は大きく分けて3種類あります。
ボトルタイプ
- ボトルに入った剥離液を直接粘着面に垂らして装具を剥がします。
- 小さいので持ち運びに便利で、1本あたりの単価が安いです。
ワイプタイプ
- 剥離液が染みたシートを粘着面に染みこませながら装具を剥がします。
- 装具を剥がす際に1包装を使用することが一般的です。
- 個包装になっているので外出時には必要な枚数だけを持ち運ぶことができます。
スプレータイプ
- 剥離液をスプレーで噴きかけて装具を剥がします。
- 介護者の方などストーマ装具使用者以外の方が装具交換をするときなどにおすすめです。
- 飛行機の機内への持ち込みに制限が入る可能性があるため旅行などの際には注意が必要です。
3.粘着剥離剤(リムーバー)の使用方法
ボトルタイプの使用方法
ボトルタイプの剥離剤の使用方法を手順に沿って説明します。
①面板を剥がすきっかけを作ります
ストーマ装具の面板上端を少しめくりあげ、きっかけ(=剥がし始めるポイント)を作ります。
②めくり上げた部分に剥離剤を垂らします
剥離液が出すぎないように注意しながら少しずつ垂らしましょう。
垂らすのを途中で止めず、剥がしきるまで繰り返し使用します。剥離液が面板と皮膚の間に入り剥がしやすくするので面板を強く引っ張る必要はありません。
使用の際は、ノズルの先はストーマ装具や皮膚に付けないように注意しましょう。
③装具を剥がし終わったら皮膚を石鹸と水でよく洗浄します
装具を剥がし終わったら皮膚に残った剥離剤をティッシュペーパーやガーゼなどで優しく拭き取ります。
剥離液を拭きとったら皮膚を水と石鹸でよく洗浄しましょう。
洗浄後は、皮膚が完全に乾いてからストーマ装具をつけてください。皮膚が濡れていたり剥離液が残っていると装具の貼りつきが悪くなり、漏れや皮膚トラブルを引き起こしてしまう可能性があります。
ワイプタイプの使用方法
ワイプタイプの剥離剤の使用方法を手順に沿って説明します。
①面板を剥がすきっかけを作ります
ストーマ装具の面板上端を少しめくりあげ、きっかけ(=剥がし始めるポイント)を作ります。
②めくりあげた部分を剥離剤で拭きながらゆっくりと剥がします
シートを皮膚と面板の間に滑らせるようにして剥がしていきます。
拭く動作は途中で止めず、剥がしきるまで繰り返し行ってください。剥離液が面板と皮膚の間に入り剥がしやすくするので面板を強く引っ張る必要はありません。
③剥がし終わったら皮膚を石鹸と水でよく洗浄します
剥がし終わったら、皮膚に残った剥離剤をティッシュペーパーやガーゼなどで優しく拭き取ります。
剥離液を拭きとり皮膚を水と石鹸でよく洗浄しましょう。
洗浄後、皮膚が完全に乾いてからストーマ装具をつけてください。皮膚が濡れていたり剥離液が残っていると装具の貼りつきが悪くなり、漏れや皮膚トラブルを引き起こしてしまう可能性があります。
※特にオイルタイプの剥離剤を使用した際は、皮膚に剥離液が残りやすいので十分な洗浄を行ってください。
スプレータイプの使用方法
ワイプタイプの剥離剤の使用方法を手順に沿って説明します。
スプレータイプの剥離剤を使用するときは火気厳禁ですのでお気を付けください。
①面板を剥がす「きっかけ」を作ります
ストーマ装具の面板上端を少しめくりあげ、きっかけ(=剥がし始めるポイント)を作ります。
②めくりあげた部分に剥離剤をスプレーしながらゆっくりと剥がします
剥がれ具合を確認しながらスプレーをします。スプレーは途中で止めず剥がしきるまで繰り返し使用してください。
スプレーが皮膚に冷たく感じる場合はキャップにスプレーをすることで液状にすることができます。液状になった剥離液をガーゼにつけたり直接皮膚と面板の間に垂らしながら使用することも可能です。
剥離液が面板と皮膚の間に入り剥がしやすくするので面板を強く引っ張る必要はありません。
③剥がし終わったら皮膚を石鹸と水でよく洗浄します
剥がし終わったら、皮膚に残った剥離剤をティッシュペーパーやガーゼなどで優しく拭き取ります。
剥離液を拭きとり皮膚を水と石鹸でよく洗浄しましょう。
洗浄後、皮膚が完全に乾いてからストーマ装具をつけてください。皮膚が濡れていたり剥離液が残っていると装具の貼りつきが悪くなり、漏れや皮膚トラブルを引き起こしてしまう可能性があります。
4.粘着剥離剤(リムーバー)の紹介
ザイタックで取り扱っている剥離剤をご紹介します。
※なお、使用目安については装具交換1回につき2mlの使用を想定して計算しています。個包装の商品については装具交換1回につき1パックを想定しての計算です。実際の使用量はご利用者様の状況により差が生じますので、あくまでも目安として参照ください。
ホリスター
アダプト剥離剤
コンバテック
エセンタ粘着剥離剤
アルケア
スムーズリムーバー
コロプラスト
ブラバ粘着剥離剤
5.まとめ
いかがでしたか?
近年、ストーマ装具の性能は向上しており、粘着力も強固なものになっています。
ストーマ装具を剥がす際の剥離剤の使用は、病院でも推奨されており、今やストーマケアに必須のアイテムと言えます。
また、各メーカーの剥離剤で使用感やにおいなど様々なので、ご自身に合った剥離剤を探してみるのもよろしいかと思います。
随時サンプルなどもお受けできますので、ご希望の際はご連絡ください。
こちらの記事が一人でも多くの方の参考になりましたら幸いです。
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