ストーマパウダーの特徴と使用方法【ストーマケアアクセサリー】

ストーマケアアクセサリーの中に、皮膚保護剤パウダー(以下、ストーマパウダー)というものがあります。
手術直後に病院で使用されるケースが多いため、ご退院後も継続して使用されている方が多い商品です。
ですが、まれに使用方法を間違えていたり、ストーマパウダーが原因となってトラブルを引き起こしてしまわれている方もいらっしゃいます。
ストーマパウダーは、正しく使用すればその効果を発揮してくれますが、少しの勘違いでトラブルのもとになり得る商品でもあります。
この記事では、そんなストーマパウダーの正しい使用方法と、それによって得られる効果についてご紹介させていただきます。
1.ストーマパウダーの特徴
皮膚保護剤の成分を粉状にしたもの
通常、ストーマ装具の面板(粘着部分)は、一般的な医療テープではなく、皮膚保護剤と呼ばれる特殊な成分でできています。
これは、皮膚に粘着テープなどを貼り続けていると、皮膚の環境が悪化し皮膚トラブルを引き起こしやすくなるためです。
突然ですが、みなさんは絆創膏を長時間貼り続けていたら皮膚がふやけてしまった、なんて経験はありませんか?
このふやけのことを医療用語で侵軟(しんなん)と言います。皮膚が侵軟すると摩擦力が高まり、少しの刺激でも皮膚障害が起りやすくなってしまいます。
そういった状況を防ぐため、ストーマ装具の面板には、汗や排泄物などの水分を吸収して皮膚を保護する皮膚保護剤が使用されています。
ストーマパウダーは、その皮膚保護剤を粉状にして、皮膚に振りかけられるようにしたものです。
各メーカーのストーマパウダーには、そのメーカーが販売しているストーマ装具の皮膚保護剤の成分が使用されています。
水分を吸収することでゲル化する
ストーマパウダーは皮膚保護剤で出来ていると説明しましたが、その中でも水分を吸収する役割の親水性ポリマーのみで出来ています。
親水性ポリマーには、水分を吸収するとゲル化する作用がありますので、ストーマパウダーも水分を吸収するとゲル化します。
このゲル化する特性を利用することで、ストーマ周囲のびらん(ただれ)部分をピンポイントに保護することが出来るのです。
2.ストーマパウダーの使用方法
それでは実際のストーマパウダーの使用方法を説明していきます。
ストーマパウダーの用途は大きく分けて2つです。
①ストーマと面板の隙間に振りかけて排泄物が皮膚に付着するのを防ぐ
②びらん部分に振りかけることで装具の粘着力の低下を防ぐ
それぞれ順番に説明させていただきます。
ストーマと面板の隙間に振りかける
通常、ストーマ装具の面板の穴は、ストーマサイズよりも1mm程度大きめにカットされたものを使用します。
1mm程度の隙間であれば、排泄物が皮膚に付着したり、面板の下に潜り込むなどのトラブルは起きにくいので、ストーマパウダーの必要性は低いです。
ただし、ストーマの形状が特殊な方の場合は、通常よりも面板を大きめにカットしなければいけません。その分皮膚の露出が増えますので、排泄物が皮膚に付着するリスクが高まります。
排泄物が皮膚に付着すると、皮膚に刺激が加わり皮膚トラブルへとつながります。そういった事態を回避するために、ストーマパウダーを使用することが出来ます。

ストーマの周囲に振りかけることで、ストーマと面板の間の隙間を埋めることが出来ます。
パウダーの部分に付着した水分(排泄物や粘液)は吸収されてゲル化します。
びらん部分に振りかける
ストーマ装具を貼付する部分にびらんがあると、装具の粘着力が低下します。
粘着力が低下することで、装具の剥がれや漏れ、皮膚トラブルへとつながりかねません。
そういった場合に、ストーマパウダーの特性が利用できます。

ストーマ周囲のびらんがある部分にパウダーを振りかけます。
パウダーがびらん部分の水分を吸収、ゲル化することでストーマ装具の密着力を高めます。
ストーマパウダーのかけ過ぎには注意
ストーマパウダーはたくさんかければ良いというわけではありません。
粉状なので、大量に振りかけるとかえって装具の粘着を妨げてしまいます。
びらん部分にのみ使用し、健康な皮膚には振りかけないように注意しましょう。
いつもより多めに振りかけてしまったり、健康な皮膚に振りかけてしまった場合でも、余分な粉をしっかりと払っていただければ問題ありません。
3.ストーマパウダーの種類
ザイタックで販売しているストーマパウダーの種類を紹介します。
ホリスター
アダプトストーマパウダー

半透明の容器のため、一目で残量がわかります。
主成分:ゼラチン、ペクチン、CMC
容量 | 価格(税込) | リンク | |
---|---|---|---|
7906 | 28.3g | 1,210円 | 商品購入のページへ |
コンバテック
バリケアパウダー

ストーマ装具「バリケア」の親水性コロイドの成分を粉状にしています。
主成分:CMC、ペクチン、ゼラチン
容量 | 価格(税込) | リンク | |
---|---|---|---|
PW60 | 28.3g | 1,419円 | 商品購入のページへ |
コロプラスト
ブラバパウダー

押しやすく的確に噴き付けることが出来る容器です。
主成分:CMC、グァーガム、キサンタンガム
容量 | 価格(税込) | リンク | |
---|---|---|---|
1907 | 25g | 1,100円 | 商品購入のページへ |
アルケア
プロケアーパウダー

カラヤガムが配合されているため緩衝作用、静菌作用に優れています。
主成分:ペクチン、アルギン酸ナトリウム、カラヤガム
容量 | 価格(税込) | リンク | |
---|---|---|---|
12611 | 50g | 1,815円 | 商品購入のページへ |
4.まとめ
いかがでしたか?
ストーマパウダーは問い合わせの多い商品で、実際に使用してみたいという方からのご連絡を多くいただきます。
しかし、実際にお話を伺ってみると、間違った認識をしていらっしゃる方が多い印象です。
特に「パウダーをかければ皮膚の赤みが治る」という思いでご連絡される方が多いです。
本文でもお伝えしましたが、パウダーの用途は、皮膚と面板の隙間を埋めることと、びらん部分に振りかけて水分を吸収することの2点です。
たとえ皮膚が赤くなっていても、浸出液(ジュクジュクした液体)が出ていなければ、パウダーを使用しても効果を発揮してくれませんのでご注意ください。
また、皮膚が赤みがかっているなどの皮膚トラブルが発生した場合は、まず医療機関を受診しましょう。最近では、ストーマを持つ方専門の外来「ストーマ外来」も増えてきています。
ストーマ外来についてはこちらの記事で取り上げておりますのでご参照ください。
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