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ふれあいサロン「ヨーロッパのオストメイト事情」を開催しました
2024.04.01
2024年3月22日(金)にふれあいサロンを開催しました。
(通常は毎月第三水曜日ですが、祝日のため別日程での開催となりました)
今回のテーマは「ヨーロッパのオストメイト事情~ライフスタイル・福祉制度~」、講師は本国がイギリスのストーマ装具メーカー「イーキン・ジャパン(株)」の岩村様です。
講演は、①各国の給付金→②装具の購入場所→③情報の入手方法の流れで進みました。
給付金については、国々で大きく異なるようです。以下に岩村様のお話をまとめます。
各国の給付金
日本の上限付きの一部補助が主流ですが、その中でもイギリスは「全額補助」、アメリカは「全額負担」と特徴的です。
国 | 給付額 |
日本 | △ 一部補助(上限あり) |
イギリス | ○ 全額補助 |
アメリカ | × 全額負担 |
カナダ・オーストラリア・北欧 | △ 一部補助(上限あり) |
※イーキン・ジャパン(株)より資料抜粋
イギリス
ストーマ装具・アクセサリーのすべてが「医療機器」としての取り扱い。
コロストミーだと閉鎖型、イレオストミーだと下部開放型が使用されるケースが多い。
アメリカ
給付がない為、個人で民間の保険に入る必要がある。
短期交換の保護材よりも長期間貼れる保護材を好んで使用するケースが多い。
装具の購入場所
販売店、ネット、薬局は世界変わらず。
オーストラリアについては「オストミーアソシエーション」と呼ばれる組織があり、ここが配送拠点となってオストメイトに直接送付・直接引取りが行われている。
情報の入手方法
オストメイトの集い・雑誌・SNS・ホームページは世界変わらず。
海外と日本の装具事情
上記の内容以外に印象に残った内容は、他の国とは違う日本の装具事情です。
イレオストミー用の「キャップ式」装具
海外では、水様便でも「巻き上げ式」を使用。
捨て易くする為、凝固剤を使用する。
透明のストーマ袋
日本でしか売れていない。
海外では、見られることを嫌がり不織布(窓)付きを使用する。
比較的若い世代は、ストーマ袋を「隠さない」また「ファッション」と捉えデコレーションを楽しんだりと多様。
イーキンヘルスケア社発行のオストメイト向け雑誌
参加者からは「先日、ストーマ造設後初めて海外(ハワイ)に行った。ヨーロッパにも興味があり出かけたいので事情を知りたかった。興味深い話が聞けて良かった」と感想をいただきました。
今回の講演で改めて分かったことは、ストーマ袋の目的は世界共通で「排泄管理」ですが、各国の福祉制度や価値観(文化・風土)によって、求められる装具が異なるということです。
私達ザイタックとしては、メーカー様に良い装具を開発していただくようにお客様からの要望を伝えたり、日本の給付制度をオストメイトや医療従事者の皆様に適切に伝え、スムーズに購入して頂けるよう活動したいと思います。
イーキン・ジャパン(株)岩村様、この度は貴重な講演ありがとうございました!
普段入手できない情報を教えて頂き、知見が広がりました。
次回は、4月17日(水)「新しいオストメイト用便座」をテーマに、メーカーのさつき(株)様にお話していただきます。
ザイタックのトイレにも設置しておりますので実物をご覧いただけます。ご参加お待ちしています!