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皮膚・排泄ケア認定看護師を目指したキッカケのお話

2023.06.19

はじめまして。私は、東京都立多摩北部医療センターで皮膚・排泄ケア認定看護師として日々患者さんのケアに従事している看護師です。

今回は私が皮膚・排泄ケア認定看護師を目指すキッカケになったできごとについてお話しさせていただきます。

看護師になって最初に働いたのは外科と泌尿器科の混合病棟でした。そのため、ストーマを造設する患者さんと関わる機会が多くありました。

当時はストーマケアに関する知識も技術もほとんどなく、先輩看護師のケアを見て、ただ真似をする事しかできない状況でした。

そんな時に関わった患者さんがAさんでした。

Aさんは60代の男性でストーマ造設術を受けた方でした。ストーマ造設後、先輩看護師たちが一生懸命装具を選択するのですが、すぐに漏れてしまい、1日に何度も装具交換をしているような状況でした。

Aさんは装具から便が漏れる度に「どうしてだろう…」と、とても悲しんでいて、いつも不安そうな表情を浮かべていました。そんな状況が続いていた時にAさんを受け持ちました。

その日も装具から便が漏れ、装具交換をすることになりました。

当時の私は、ストーマケアの知識だけでなく、装具に関する知識もほとんどありませんでしたが、なんとかしてあげたいという気持ちで装具を選びました。

その日の勤務中は漏れることなく経過しましたが、知識のない私が装具交換をおこなったため装具の漏れへの不安は残りました。

翌日もAさんを受け持ち、朝のあいさつに伺うと明るい表情の Aさんがいました。そして笑顔で「園部さんが貼ってくれた装具漏れなかったよ。ありがとう。」と私に向かって言いました。

正直、なぜ漏れなかったのか当時の私には分かりませんでしたが、暗い表情だったAさんが笑顔になってくれた事が何より嬉しかったです。

そのできごとがあってから、装具メーカーのパンフレットを読んだりストーマに関する本を購入したりと、少しずつストーマケアや装具の事を勉強するようになりました。

患者さんを笑顔にできる皮膚・排泄ケア認定看護師になりたい

私がストーマケアに興味を持ち始めた頃、院内で初めて皮膚・排泄ケア認定看護師が誕生しました。

Aさんの時のように、装具選択に難渋した時に介入してもらったところ、連日装具から漏れていたのが嘘のように漏れはなくなり、定期交換ができるようになりました。

また、ベッドサイドで患者さんの話をよく聞き、笑顔で対応している姿を間近で見て、こんなに専門性が高く、患者さんを笑顔にできる仕事があるのかと、とても感銘を受けました。

その時、この人ように患者さんを笑顔にできる皮膚・排泄ケア認定看護師になりたいと憧れを抱くようになりました。

Aさんや皮膚・排泄ケア認定看護師に出会ったことは、私が皮膚・排泄ケア認定看護師になる大きなキッカケになりました。

今回こうして振り返る機会をいただき、当時の気持ちを思い出すことができました。また新しい気持ちで患者さんとしっかり向き合い、活動していきたいと思います。

PROFILE
園部祐子 さん

皮膚・排泄ケア認定看護師

<略歴>
日本看護協会看護研修学校 皮膚・排泄ケア学科(2013)
皮膚・排泄ケア認定看護師資格取得(2014)