株式会社ザイタック

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第6話:手に入れた自由

2024.01.07

2度目の手術は術後の経過もよく、ストーマ袋の交換も慣れていたため、術後2週間で退院することができました。それから現在まで、不具合もなく暮らしています。

今の私は、1回目の造設時には食べていた食材もかなり見直しています。
私の経験上ダメだった、きのこ類・こんにゃく類・海藻類・繊維質な野菜は特に気をつけていて、「もう詰まらせない」という強い意志で、今まで好きだったものも摂取しないように心がけています。
食べ物には制限があり、激しめの運動や重いものの運搬も、また脱腸してしまうという恐れがあります。日常生活でも、できるだけストーマに刺激がないよう、手で押さえたりしています。

ストーマの位置の関係で履けないズボンがあったり、遊園地のアトラクションのベルトが当たって乗れなかったりしたこともありました。
温泉などの公共の入浴施設は制限されていませんが、自分が見せたくないという思いがあるため入れていません。どうしても温泉に入りたいときは貸し切り温泉など探しています。(少し面倒くさいのですが…)
手荷物も「もし剥がれたらどうしよう」という気持ちから、替えの袋などをセットで入れているため、多くなりがちです。

さらに一番重要なのは大腸がないため『水分の吸収が悪い』ということです。
一気に水分を取ってしまうと、まるでホースのように飲んで何分もしないうちにストーマから排出されてしまいます。こまめに少しずつ水分補給をすることが重要になりました。
袋からの臭いが気になるときもあります。完全無臭とはいかないため、ガス抜きの穴から食べたものによっては臭いが出てしまうこともあります。しかし、健康にいい食事のときはあまり臭わないので、食生活は大事なのだなと感じます。

色々と制限があるように感じますが、今までのトイレの回数や痛みに比べれば天国のようなものです。
急激な腹痛でトイレに駆け込むということは一切なくなりましたし、間に合わずに粗相をしてしまうということも一切なくなりました。

私は、ひどいときには介護用のおむつを履いて過ごしていました。それをトイレで履き替える行為がとても面倒くさく、腹立たしい気持ちもありました。
このような気持ちがなくなったことにより、自分の中でやっと自由を手に入れられたような気持ちです。

私はこのような経緯だったため、とても感謝をしていますが、みなさんが同じような状況ではありません。私の話だけで「なんだ、楽なんだ」と鵜呑みにしないでください。
造設理由も造設位置も、人によってさまざまです。理不尽なこともあるかもしれません。1人のストーマ造設者(オストメイト)の体験談として読んでいただけましたら幸いです。ありがとうございました。

PROFILE
横山ぐぐ さん

福祉イラストレーター

人工肛門を保有するイラストレーター。
難病の潰瘍性大腸炎を患い、3年間の闘病も空しく回復の余地がなかったため大腸を全摘出し、人工肛門を造設。
1つ目の人工肛門は腸閉塞の末、小腸穿孔で閉じ、2つ目を造設。
この入院中にオストメイトのマンガを描き、それがきっかけでイラストレーターとなる。
現在はイラストレーターとして各種イベントや展示に出展し、各企業のチラシやPOP等の作成をしている。