2023.01.23
こどもが成長し身の回りのことをひとりでし始めたら、ストーマケアも自分でできるように少しずつアプローチします。
ストーマケアといっても、装具を交換するだけではありません。ストーマの状態をみる、便のかたちや量を見て把握する、パウチにたまった便を出す、自分が使っている装具を知る、適切な交換間隔を知る、交換が必要な状態を知る、なども大切なストーマケアであり、こどもがひとり立ちをするためには欠かすことができません。
幼児期にこどもがストーマやストーマケアに関心を持ち始めたら、「今日は赤くて元気な色だね」「今日はいつもと違う色だけど、うんちはゆるくなってないかな?」といった声かけをおこないます。
大人と一緒に観察をすることが子どもにとってのストーマケアの第一歩です。使っている装具に関心を持っている時には、貼る前の装具を触らせてみてもよいでしょう。
装具の剥がれを心配して触らないよう声かけをするよりも、どうやって触ると良いか、大人が何を心配しているのかを伝えることが大切だと思います。
まずは小さな目標からこどもとともに設定し、目標を達成できたら全力で褒め、喜びあうことで、こどものやる気が少しずつ引き出され、ストーマケアのひとり立ちにつながります。
思わずやる気になってしまうような雰囲気づくりからはじめてみてはどうでしょうか。
ストーマケアの練習をすすめているこどもと関わっていると、アプローチをしてもなかなかやる気を引き出すことができない時もありました。
これまではストーマケアを家族や周りの大人がすべてやっていたのに、なぜ自分が行わなければならないのかという疑問をもつこどももいます。
そのような時、私がこどもにひとり立ちの必要性を説明したり励ましたりしても、すぐにストーマケアをやってみようという気持ちにはなりません。
先日、ストーマケアがひとりでできるようになった小学校高学年の子に「どうしてやろうと思ったの?」と聞いてみました。
「だって、みんなができるようになろうねって言うし、そうしないとキャンプにいけないから」という答えを聞き、日々を一緒に過ごしている家族や学校の先生、訪問看護師など周りの人みんなが「ストーマケアができるようになろうね!」というスタンスのもと、こどもと関わることが本当に大切なのだなと実感しました。
こどもがやる気になってくれないと困っている方がいましたら、思わずやる気になってしまうような雰囲気づくりからはじめてみてはどうでしょうか。
回にわたる私のコラムを読んでいただき、ありがとうございました。コラムを執筆しながら、自分のこれまでの活動や思いをふり返り、こどものストーマケアで大切にしたいことを再認識できたように思います。
コラムの内容が皆さんの周りのこどもたちの「えがお」と「げんき」につながったらうれしいです。
皮膚・排泄ケア認定看護師
<略歴>
神奈川県立こども医療センター入職(2006)
認定看護師資格取得(2016)
あなたの「げんき」と「えがお」のためにみんなでちからをあわせます。