2022.12.26
現役の看護師で僧侶の玉置妙憂(たまおきみょうゆう)さん。
「看護師」「僧侶」という2つの資格を持つ玉置さんですが、そのきっかけとなったのは、旦那様とのお別れでした。
看護師として働いていた玉置さんは、およそ10年前に、旦那様を大腸がんで亡くされました。
その際、旦那様の意向で延命治療をしない”自然死”を選択されましたが、その死にざまがあまりにも美しかったことから、開眼し出家を決意されます。
僧侶となった現在は、非営利一般社団法人「大慈学苑」を設立し、終末期からひきこもり、不登校、子育て、希死念慮、自死ご遺族まで、幅広い方々を対象とした「スピリチュアルケア」活動を実施されています。
この度、第53回東京ストーマリハビリテーション研究会での特別講演『誰一人取り残さないケア~スピリチュアルケアを考える~』を共催させていただいたことをきっかけに、こころのふれあいひろばにて、玉置さんから「スピリチュアルケア」のご紹介をさせていただくこととなりました。
以下、玉置さんからのご挨拶になります。
みなさま、はじめまして。
看護師で僧侶の、玉置妙憂と申します。
看護歴は、そろそろ30年になります。心臓血管外科、脳外科、消化器外科、乳腺外科と、ずっと外科畑を歩いてまいりました。
10年前に、夫を大腸がんで亡くしたことをきっかけに出家いたしまして、和歌山県の真ん中にある高野山で修業を積み、僧侶となりました。
看護師兼僧侶となってからは、病棟やご自宅で療養されていらっしゃるみなさまや、そのご家族の方のお話を聴く「スピリチュアルケア」を本職としております。
「スピリチュアルケア」なんて、なんだか妖しいなと思われたのではないでしょうか。大丈夫です。お札を売りつけたりしませんから、ご安心くださいね。
ひとは、ときに、答えのないどうしようもない問題を抱え込んでしまうことがあります。究極の問題は、人の「生死」に関わることでしょう。
「どうしてこんな病気になってしまったのか」「もう生きていたくないけれどお迎えが来ない」「いつまで生きていられるだろう」
このような心の奥底に沈んでいるもやもやとした苦しさを、スピリチュアルペインと呼びます。この苦しさは、医療や福祉の力では解決することができません。
では、どうやったら楽になれるのか。それは、「話す」ことから始まります。「話す」ことは抱えている重荷を「放す」こと。繰り返し語るうちに、今つむいでいる苦しい「物語」が、書き換わっていくのです。
でも、ご自身のことを話すのは、少し勇気のいることかもしれませんね。ご不満もあるかもしれません。
そこで、「スピリチュアルケア」です。私たちは、「聴く」ことをしっかり学んでまいりました。あなたさまのお気持ちが少しでも軽くなるよう、しっかり、じっくり、お話を聴かせていただきます。
なにかと大変な毎日の、小さな空気穴。そんな存在と思っていただけましたら幸いです。
どうぞご遠慮なくお声かけください。もちろん、たあいもない世間話も大歓迎です。
スピリチュアルケアについてもっと知りたい方のために、次のコーナーで動画を公開します。
一見難しそうに聞こえるスピリチュアルケアですが、玉置妙憂さんがとても分かりやすく解説しています。ご興味がおありの方は、ぜひご覧ください。
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大慈学苑
看護師、僧侶、スピリチュアルケア師
東京都中野区生まれ。
専修大学法学部卒業。
その後、看護師、看護教員の免許を取得。
夫の”自然死”という死にざまがあまりに美しかったことから開眼し出家。
高野山にて修業をつみ高野山真言宗僧侶となる。
現在は、現役の看護師として勤めるかたわら、院外では、非営利一般社団法人大慈学苑代表として活動している。
ニッポン放送『テレフォン人生相談』のパーソナリティや、女性向け情報誌『ハルメク』での連載など、幅広いジャンルで活躍中。