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人にも、自分にも、やさしく

2022.11.07

皆さんは、「ヨガ」と聞くとどういうことを思い浮かべるでしょうか?

多くの方は「ポーズをとること」と考えられるかもしれません。しかし、実際には「心」という部分がヨガをする上ではとても重要です。

ヨガの語源は、「馬と馬車をつなぐ道具」である「ユジュ」という言葉です。これは、馬(身体)を制御するために、馬車(心)でコントロールをするという意味を指しています。

つまり、語源から考えると、ヨガの目的は「身体」と「心」をつなぐということなのです。

ヨガには、経典ヨガ・スートラというヨガの教科書があり、そこにはポーズだけではなく、ヨガ的に生きるための教えが記されています。約2000年以上も前に、ヨガについてまとめられた古典です。

この経典の中に、私の心が救われた教えがあります。「アヒムサ~非暴力」という教えです。

「人に対しても、自分に対しても、暴力的な言動を慎む」という意味合いがあります。

今回はこの教えについて、私の経験を踏まえながらご紹介させていただければと思います。

私は小さいころ、人見知りで自信がなく、いつも不安な気持ちでいました。しかしその反面、人前で表現することにはとても興味があり、華やかな世界に対して憧れが強かったこどもでもありました。

そんな私ですが、大学卒業後、就職をして1年を過ぎたあたりに、突然すべてにやる気がなくなってしまいました。仕事には行けなくなり、大好きなダンスにも通えず、家から出られなくなりました。

そんな自分をダメな人間だと責め続け「この世から消えてしまいたい。」そう思う毎日を過ごしました。

家族の勧めで病院を受診してみると「うつ病」だと診断されました。

自分が自分を一番大切に愛してあげよう

それから1年後、治療を続けながらもダンスのオーディションを受けてみると、無事合格することができました。同時期に実家を離れ、独立したことも自分を強くしたのか、少しずつ症状が治癒されていきました。

それから15年ほどして、今の仕事であるヨガのインストラクターをスタートしました。

そこで「アヒムサ~非暴力」という言葉に出会います。

人に対しての暴力だけでなく、自分に対しての暴力も慎むべきなのだと知り、私は今までの人生、どれだけ自分に対して暴力をふるっていたのかと気付かされました。

今思えば、うつ病になったのも、企業への就職と本来の夢との葛藤で、自分を否定ばかりしていたことが原因だったのかもしれません。

「自分が自分を一番大切に愛してあげよう」

人生は長くない。
この人生を歩くのは、誰でもない自分。
人を傷つけたり、自分を傷つけたりしている時間なんて、これっぽっちもない。

2000年以上前のヨガの先人からいただいた言葉にとても救われました。そして、自分が好きなこと、やりたいことに、素直になってみようって思いました。

すると、最近自分が心地よく呼吸ができていて、気持ちが穏やかになる人たちに囲まれていることに気が付きました。

冒頭で、ヨガの目的は「身体」と「心」をつなぐこととお伝えしましたが、私は「人」とのつながりもあると思っています。

今まで自分を支えてくれた家族、友人、ヨガの仲間、そこからつながる大切な方たちに、たくさん感謝をして、恩返しをしていけたらと思います。

ヨガはポーズだけでなく、心の教科書でもあります。

前回のコラムでも書かせていただきましたが、私の基盤となっている「呼吸をしている人はみんなヨガができる」「どんな場所でもヨガはできる」という言葉の「だれでも」「どこでも」という考え方は、ポーズではないヨガがあるからなのだと思います。

「人にも、自分にも、やさしく」一日一日が大切な、自分の時間です。

ナマステ

PROFILE
中村須摩子(S-MAKO) さん

ヨガインストラクター

幼少期より身体が弱かったが、身体を動かすことが好きで、ダンス、器械体操をはじめる。
ダンス、芝居、アクションスタントなど身体を酷使する仕事で体調を崩すことも多く、心身ともにバランスを整えるためにヨガをはじめる。

<略歴>
ヨガインストラクター養成修了(2006年)
ヨガスタジオ「ヨガ&ビューティー リスルフル」立ち上げ(2008年)

「ヨガから始まり、たくさんの方と笑顔で繋がるコミュニティスタジオを目指しています。」