2022.10.03
私がヨガと出会ったのは15年ほど前。当時、ダンスやお芝居を仕事としていた私は常に「ダイエット」の方法を探していました。
その時に、目に入ったのが、「発汗!ホットヨガ!日本に初上陸!」という広告でした。日本は、第2次ヨガブームという時代で、その中でも勢いがよかったのが、「ホットヨガでダイエット」でした。
私は、これだ!と思い、東京にできたホットヨガスタジオ1号店に入会し、ホットヨガを始めました。
ホットヨガとは、部屋の温度を38度前後、湿度を60%前後の高温多湿にした状態で行うヨガです。動きながら発汗をすることで、血行を良くし、代謝をアップ、ストレス解消などの嬉しい効果があるヨガとされています。
最初は、過酷な時間というのが正直な感想でしたが、集中する時間が少しずつ楽しくなり、気が付いたらダイエットに成功し、インストラクターにもなっていました。
しかし、いざインストラクターになってレッスンを始めてみると、すぐに違和感を持つようになりました。
私と同じように、ダイエット目的でヨガをされる方も多かったのですが、実際は肩こりや腰痛の悩みを抱えている方が一番多かったのです。また、運動不足解消のため、柔軟性を高めたい、ストレス解消など、皆さんなんらかの悩みや目標をもっていらっしゃいました。
「ヨガのポーズを伝えることが、皆さんの悩みの解消や目標に導けるものなのか。」指導を始めたばかりの私は迷走し、自分が伝えたいものはなんだろうと考え始めました。
そこから、身体の悩みを解消できるヨガや、心のケアのためのヨガ、高齢者のためのヨガ、マタニティ、乳児、幼児のためのヨガ、人で行うヨガと呼ばれるタイ式マッサージなど、様々な分野を学び、色々なニーズに応えられるインストラクターを目指しました。
呼吸をしている人はみんなヨガができる。
たくさんのヨガを学んでいくことで、ヨガをすることは私たちの生きる時間の中で、特別なものではなく、呼吸すること、食べること、寝ること、笑うこと、などといった生活の一部なのだと考えるようになりました。
ヨガの時間を生活に取り入れることによって、その人にとって必要なプラスアルファが必ずやってくると私は思っています。
でも、「ヨガって難しいでしょ?」「体が硬いから無理でしょ?」「ヨガって女性のものでしょ?」「年齢が高いので無理ですよね?」などの質問をよくされます。
そういった場合、私は「呼吸をしている人はみんなヨガができる」と答えています。
これは、私がヨガインストラクター1年目の時に出会った、ある先輩ヨガ講師の方の言葉です。
私はこの言葉にとても感銘を受け、今でも私の基盤となっています。
その先輩ヨガ講師は、病院などで寝たきりの方へヨガを伝えるお仕事などもされていました。少しずつ指が動いたり、笑顔が増えたり、言葉を発してくれるようになったり、そういったお話を伺うことで勇気をたくさんいただき、さらにヨガが好きになりました。
まずは、ヨガの呼吸をしてみましょう(色んな種類があります)。
目を閉じて(寝る前でもOK)、ゆっくり鼻から息を吸って、ゆっくりと息を吐くことを繰り返してみる。
だんだん吸う息の倍くらいの長さで息を吐いて、最初は2,3分位から続けてみる。
鼻呼吸法はスーーーという穏やかな音がご自身の耳に聞こえます。気持ちがいいなぁと感じる呼吸の時間を過ごしてみてください。
呼吸をすることは、ヨガのもっとも大切な時間。忘れがちだけど、とっても当たり前で、一番大切なことをヨガは教えてくれます。
「忘れがちだけど、大切なもの」、現代人の私たちには、たくさんあるような気がします。皆さんもヨガの呼吸をしながら、大切なもの、思い出してみてください!
ナマステ
ヨガインストラクター
幼少期より身体が弱かったが、身体を動かすことが好きで、ダンス、器械体操をはじめる。
ダンス、芝居、アクションスタントなど身体を酷使する仕事で体調を崩すことも多く、心身ともにバランスを整えるためにヨガをはじめる。
<略歴>
ヨガインストラクター養成修了(2006年)
ヨガスタジオ「ヨガ&ビューティー リスルフル」立ち上げ(2008年)
「ヨガから始まり、たくさんの方と笑顔で繋がるコミュニティスタジオを目指しています。」