ふれあいサロン「オストメイトの相続と税」を開催しました
こんにちは、ザイタックブログ編集部です。
2025年8月20日(水)のふれあいサロンは、いつもと趣向を変えて「備えて安心!オストメイトの相続・税について」のテーマで開催しました。講師は横浜相続税理士事務所の税理士・猿渡哲先生です。後半はオストメイト同士の交流会を行い、開催前後には根本看護師による個別相談も行いました。
【講演】
1時間という限られた時間で、準備していただいたすべてのお話をしていただくことができませんでしたが、非常に充実した講演となりました。内容を簡単に紹介します。
①相続の準備は、家族への思いやり
ご家族と相続の話をしていますか?
- 遺言書は書く必要ある?
- エンディングノートは?
- そもそも家族と話す必要はあるの?
「まだ元気だから」「うちは財産が少ないから」と思っている方こそ、要注意です。
②相続の現状(準備とトラブル)
準備している割合
項目 | 実施率 |
遺言書作成 | 約10%(法的に有効なものは3~5%) |
エンディングノート作成 | 約13~15% |
家族との話し合い | 約20~30% |
参考:日本財団「遺言・遺贈に関する意識・実態把握調査要約版」(2023年1月5日)
日本財団「終活に関する意識調査2022」
家族との話し合いをしていない方が70%以上!(多数が何もしないまま亡くなっているそうです)
財産総額別の相続トラブル件数割合
4件中3件が「遺産価額5,000万円以下」で発生。遺産が高額な方は相続準備できており、少額の方が準備不足の傾向があります。
参考:令和5年司法統計第52表遺産分割事件のうち認容・調停成立件数 (「分割をしない」を除く)
トラブル理由
- 遺言書がない
→故人の意思が不明確なため、相続人間で解釈が分かれる - 財産の見える化不足
→財産一覧情報がまとまっておらず混乱 - 関係性の悪化
→親の想いが伝わらず感情対立へ
③「相続」が「争族」にならないために
相続準備6ステップ
- 自分の財産を把握する
- 相続人を確認する
- 遺言書を書くか考える
- 希望や想いを家族に伝える
- 必要な制度を確認する
- 専門家に相談する
④オストメイトと相続税
オストメイトが相続人(財産をもらう人)である場合、適用できる特別な控除があります。
障害者控除
- 身体障害者手帳を所持している方が対象
- 等級に応じて控除額が異なる
1~2級:余命年数×20万円
3~6級:余命年数×10万円
計算例:相続時60歳。身体障害者4級。
→余命年数(85-60)×10万円=250万円
⑤最後に
今回の講演の内容をご家族と話してみていただくといいかもしれません。今だからこそできる準備があります。あなたの“備え”がご家族への最大の思いやりになります。相続の準備は「死」についての準備ではなく、大切な人たちの「生」を守るための準備です。「相続準備6ステップ」を少しずつ進めていきましょう。
エンディングノート
当日、猿渡先生より参加者にエンディングノート(横浜市神奈川区版)が配布されました。大きな文字でイラストが多く「初めて見たけどこれなら書けそう」という感想がありました。一部を抜粋して紹介します。



※エンディングノートは多くの市区町村・自治体で無料配布されています。
当日の様子
講演では、猿渡先生の軽快な語り口とご自身の相続に関する経験談や事例紹介により、参加者の皆さんは熱心に聞き入っていました。質問も多数あり、非常に活発な雰囲気を感じました。参加者の中で、相続がスムーズに進まなかった経験を持った方がおり、それを聞いた周囲の方も「そうなんですね、こんなこともあるのですね」とメモを取っている姿が印象的でした。
- いずれ考えなければならない相続について考えることができました。
- 相続は以前から気になっていました。エンディングノートすぐ書きます。
- 初めての参加で色々な話を聞き、自分の悩みも聞いてもらいスッキリした気持ちになりました。また、機会がありましたら参加したいと思います。
次回ふれあいサロン
次回のふれあいサロンは、9月17日(水)オストメイトインフルエンサーの中島小百合さんに「わたしのストーマライフ」をテーマにお話していただきます。とてもエネルギッシュな方で、お話を聞くと元気になります。
ふれあいサロンは、ザイタック以外の販売店を利用している方でも参加可能です。申込みお待ちしています。